STEVE WINWOODステーヴ・ウィンウッドの
やりたかった自然な「黒」さ !


STEVE WINWOOD / Steve Winwood

 ステーヴ・ウィンウッドは16歳でデビューした当時、その年齢を感じさせない早熟さでブルース・フィーリング溢れるボーカルの完成度は目をみはるものを感じさせた。60年代中期の”スペンサー・ディヴィス・グループ”から始まり、60年代後半あのデイブ・メイソンも参加した”トラフィック”を結成するが分裂。その後エリック・クラプトンの要請でスーパー・グループ”ブラインド・フェイス”の結成に参加する。

 またジミ・ヘンドリックスからのリクエストで『エレクトリック・レディ・ランド』にも参加している。その後、エリック・クラプトンの『レイボー・コンサート』など、いろんな有名なミュージシャンのセッションにも参加している。その彼も2008年で還暦を迎え、昨年5月に発売された通算9枚目の『NINE LIVES』ではブラインド・フェイスでの盟友エリック・クラプトンを迎え健在ぶりを見せてくれた。 

 でもウィンウッドのソロというと、第一に上げなければならないのが、記念すべきこのファースト・ソロで、一気に「黒」っぽさの音楽の頂点へと昇りつめた。トラフィック時代を通して自分の語法、自分のリズムで黒人音楽を咀嚼してきた彼だが、そんな試行錯誤を含めたアプローチが遂に収穫の時を迎えた。そんな感慨を覚える。時代はすでにパンク前夜を迎えていたが、この一枚で成熟という価値を知り、気持ちが豊かになったロック・ファンも少なくないだろう。

 3.4.を除くベースとドラムスをウィリー・ウィークスとアンディ・ニューマークが担当。それぞれダニー・ハサウェイやスライ&ファミリー・ストーンで名を挙げた名手たちだ。彼らはロン・ウッドの『俺の仲間』『ナウ・ルック』にも全面参加して知られていくが、しなやかで繊細なリズムの波を16ビートや変拍子で織り成していく本作の1.2.5.でも献身的な役割を果たした。

 また一方白人ファンク・バンド、ココモのリズム隊を配した4.には、ウェイラーズのジュニア・マーヴィンがギターで絡み、冴えたミクスチャー感覚を覗かせる。そしてマルチ・プレイヤーぶりを発揮する3.や、素晴らしいバラード6.には、レイ・チャールズのごとくじわりとシンペーションするウィンウッドのピアノが聴き取れ、彼の背景を改めて浮かび上がらせる。

 派手なシャウトではなく、むしろ静寂や隙間こそを黒人音楽から学び取ったのが彼なのではないだろうか。 自分のスタジオ” ネザータークドニック・スタジオ”というホーム・スタジオを建てソロ活動に専念する。それがこの作品に結実している。このい”ぶし銀”のような味わいが嬉しくて、思い出したように引っ張り出して聴いてしまう。穏やかだけど志は熱い、聴けば聴くほど良さが分かる作品だ。


Steve Winwood - Hold On

『STEVE WINWOOD / Steve Winwood』

1977年6月発表
Island ILPS-9494
UICY93689(初回限定盤)
レーベル:ユニバーサル・インターナショナル

The staff :
Steve Winwood(vo,kye,syn,g.etc)
Willie Weeks(b),Andy Newmark(ds),Jim Capaldi(perc,vo)
Reebop Kuwak Baah(conga),Julian(Junior)Marvin(g),
Brother James(perc),Alan Spenner(b),John Susswell(ds),
Nicore Winwood(vo)

1.Hold On
2.Time Is Running Out
3.Midland Maniac
4.Vacant Chair
5.Luck's In
6.Let Me Make Sumethig In Your Life

Steve Winwood Officia Site(英語)
Steve Winwood Fan Site(英語)
ステーヴ・ウィンウッド ファンサイト(日本語)